舞鶴蒲鉾協同組合、原料冷凍すりみ品質評価の検査基準

検査工程はこちらの画像を参考に

検査項目と検査方法 参考事項
■ 水 分
凍結状態のすり身をポリエチレン袋のままか、または適当な大きさのブロックに切り取って、別のポリエチレン袋に入れ、水分の蒸発を防いで半解凍にしたのち試料を採取する。
試料は一枚のすり身のどの部位から採取してもよい。
 赤外線水分計による場合は、上記のように解凍したすり身5〜10gを薄く切り取り、直ちに試料皿にのせて乾燥してよい。
 空気浴乾燥機、赤外線水分計いずれを使用する場合も試料3ケ以上について行い、その平均値を百分率(%)で表示する。
水分(%)=〔乾燥前の重量(g)−乾燥後の重量(g)〕÷乾燥前の重量(g)×100
■ pH
解凍したすりみ5gに45mlの蒸留水またはすりみ10gに90mの水を加えてブレンダーにかけ均一化したのち、pHメーターを用いて測定する。測定は試料2ケ以上について行い、平均値で表示する。
■ 夾雑物検査(↓※写真例)
かまぼこ製品の表面に混入していた夾雑物(黒皮)
(×10倍)

解凍したすりみ10gを1ミリ以下の厚さに薄く伸ばし、肉眼で見える夾雑物の数をかぞえ(2ミリ以上の大きさのものは1ケ、2ミリ未満の大きさのものは1/2ケとする。正し、1ミリ以下のもので目立たないものは除く。)

■ ハンター白度
解凍したすりみ適当量を測定用ガラス容器に隙間がないようにつめ、直ちに色差計(白度計)で測定し、CIE(国際照明委員)系のXYZ(3刺激値)のZ値により求める。
試料3ケ以上の平均値で表示する
■ 明 度
ハンター白度の場合と同様に調整したのち、色差計によりUCS(等色差色)系のL.,a,bの値を求める。
○本検査はすりみの品質をそのままの状態で評価する。
○必要項目の検査は必ず実施する。
○ポリエチレン袋を取り除き裸にして解凍してはいけない
○部位による誤差は少ない
○凍結状態のすり身を秤量ビンに入れると容器の外壁に結露を生じ誤差の原因になる。
○最近では冷凍すりみのpHはほとんど変動がなく、調査しても、蒲鉾屋さんから殆ど興味をもたれなくなっているのでデータは掲載していません。
○すりみに9倍量の水を加える。○乳鉢で磨砕してもよい
○pHメーターの用意のない場合はBTB試験紙を用いてもよい。
○本試験でいう異物とは魚肉以外の黒皮、小骨などをいう。

○Lab表色系色度図
↑クリックしてください。
L.a.b値のそれぞれの三次元イメージ
■ かまぼこテスト
半解凍のすりみ0.5kgを小型ブレンダーを用いて粉砕(5分間程度)したのち、食塩をすりみ重量に対して3%添加し、磨砕して肉糊に仕上げる(小型サイレンとカッターで15分以内を目安とし)肉糊にはすりみに対して20%の水(または氷)を添加する。
■ ケーシング
折径48ミリの塩化ビニリデンフィルム(サランケーシングまたはクレハケーシング)に肉糊を約150g(長さ約20cm詰め、両端を結さくする。)
■ 加熱条件
90℃の熱湯中で30分の加熱を行う。
■ 坐り条件付加
35℃の温湯中で40分の加熱後、90℃の熱湯中で30分の加熱を行う。
■ 冷 却
加熱処理終了後直ちに冷水に投入して充分に冷却した後、室温に放置する。
■ 検査用断片の調整
Tの方法によって調整した試験品につき、48時間以内に下記の測定を行う。試験品の品温は10℃前後とする。
レオメーターを用いて測定する。プランジャーの直径は5ミリとする。試験品を長さ(高さ)25ミリの輪切りにし、フィルムを除去して試験片とする。
■ ゼリー強度
切断面の中心がプランジャーの真下に位置するように試験片を測定装置の試料台にのせ、一定速度でプランジャーに荷重し、試験片が抵抗を失って破断したときの荷重量(押し込み強度)および凹みの大きさを測定する。
押し込み強度はWで示し、単位はグラムで示す。
凹みの大きさはLで示し、単位はcmです。
ゼリー強度はW×Lの数値で示し、単位はg.cmで示す。
試験品3本以上から試験片をつくり、それぞれの測定値の平均値で表示する。
■ ハンター白度
適当な長さ(高さ)に輪切りした試験片をつくり、切断面の白度を色差計(白度計)によって測定する。
■ 明 度
適当な長さ(高さ)に輪切りした試験片をつくり、切断面の明度を色差計によって測定する。
試験片3ケ以上の平均値で表示する。
■ 官能検査
試験片は厚さ5ミリに輪切りしたものを用い、5点法により3名以上の熟練したパネルで行う。
評価は噛んだ時の強さ(歯切れ)およびしなやかさ(ねばり)を主眼として検査し、総合的に足の強さとして評点を評価する。
 評点は5段階法とする。
  評点     足の強さ
   5      極めて強い(充分に歯ごたえがある)
   4      強い
   3      普通
   2      やや弱い
   1      きわめて弱い
■ 折り曲げテスト
試験片は厚さ3ミリの輪切りしたものを用い、5段階法により表示する。
  評  点           性     状
   5          4つ折りにして亀裂なし
   4          2つ折りにして亀裂なし
   3          2つ折にして徐々に亀裂が入る
   2          2つ折にしてすぐに亀裂が入る
   1          指で押すと崩れる。

○専用の小型ブレンダーを使用
○現在、当検査室では無澱粉の試料でのみ試験をしている。




○坐り操作を行い、直加熱との比較により魚種特異性のようなものをみることもできる。



○測定温度は10℃附近としている。
○プランジャーの径が大きいほど弾力値のバラツキが大きく、径が小さくなるほど凹のバラツキが大きくなる。







○色差計および測定方法並びに表示方法は原料検査と同じ







○魚種、等級ごとの相対評価が必要であり現在では品質結果に載せていない。あくまで、蒲鉾屋さんには検査室のコメントとして載せて報告している。





○試験片の厚さは官能検査の場合と異なる