バラエティに富み、子供から大人まで人気のかまぼこ製品は新鮮で栄養豊かな魚が原料です。
○千年も食べ継がれたかまぼこ製品
(1)平安時代の文献に登場するかまぼこ製品
日本でうまれた蒲鉾製品は、保存が目的というよりも,魚をより美味しく食べるための画期的な加工技術です。かまぼこ製品がわが国の歴史に初めて登場するのは平安時代初期。当時の古文書の中に祝いの宴会料理のスケッチがあり、そこにかまぼこが記録されています。
実際にはこれよりも昔から棒の先に魚肉のすりみをつけて焼いて食べていたようです。
このころのかまぼこは図にみられるようなちくわに近いものでした。
(2)蒲の穂が名前の由来
かまぼこの形は、いまのちくわに似ていました。
写真にみられるように植物の蒲の穂によく似ていたことから、「がまの穂」とよばれていました。
また、がまの穂は鉾(ほこ)のような形をしているところから「蒲」と「鉾」がくっついて「がまほこ」になり、やがて「かまぼこ(蒲鉾)」と呼ばれるようになったと伝えられています。
○見直されてきたかまぼこ製品のすばらしさ
(3)日本型食生活への見直し
ご飯の主食に魚の主菜、野菜の副菜、汁など組み合わせた「一汁一菜」がわが国の伝統的な献立パターン。これに卵や肉など洋風な食材が加わると栄養的にも、充実し、世界各国から日本型食生活として高く評価されています。
ところが、近年この洋風化が進みすぎて、脂肪のとりすぎから肥満や生活習慣病が増えるなどといった問題が生じてきました。ヘルシーな食生活の条件にあう良質たんぱく質で低脂肪のかまぼこ製品が、今見直されています。
(4)健康長寿に役立つかまぼこ製品
最近、世界保健機関(WHO)が、平均健康寿命(平均寿命から生涯のある機関を除いたもの)を発表。191カ国中、1位が日本、イタリアやフランスなど上位国の多くが地中海型食生活をしていたり、その影響を受けている国々です。
健康によい食生活として国際的に評価されている日本型食生活と地中海型食生活には…
@良質たんぱく質源で低脂肪のシーフード(魚介やかまぼこ製品など)をよく食べる、
A体内で酸化されにくいオイレン酸が多いオリーブ油や血液をサラサラにして動脈硬化を防ぐDHA、EPAなどの高度不飽和脂肪酸が多い魚油をとっている。
Bご飯やパスタをよく食べ、総摂取エネルギーのうち、糖質性エネルギー比率がよい
C抗酸化作用のある野菜や果物をよく食べる、などといった共通点があったのです。
栄養豊富なかまぼこ製品で食生活を充実させましょう。
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