■ かまぼこを開封したときに、薬品臭のような臭いがするが大丈夫ですか?

 今回、ご報告を受けました蒲鉾に異臭のするものがあった件ですが、誠に申し訳なく心よりお詫び申し上げます。 さて、この度の件は、当該商品の賞味期限内ということもあり、蒲鉾板に起因するものであった可能性が高いと思われます。

 蒲鉾板の臭いに関しては、おおまかに2種類にわけられ、薬品臭のする場合と糞便臭のする場合とがありますが、現物がないのでどちらかを判断することはできませんが、前者の場合は、過去に日本食品分析センターに送り、調査を依頼したことがあり、臭いの原因は木材樹脂中のトリクロロフェノール類が物質として関与していることがわかっております。 
 以前は、非常にたくさんの事例があり、悩んでおりましたが、最近では蒲鉾板製造業者の研究努力によりほとんど無くなってきております。

 後者については、蒲鉾板製造の部位が根元に近い場合に、木材が吸い上げた土壌成分により臭いがすることがわかっております。
 水分を含んではじめて臭いを発するために、なかなか製造段階で発見されず、現在でも、完全な撲滅は不可能のようです。
また、さらに近年、かまぼこに使用する魚種も増え、特に南方系の魚については、その食性によりある海草を食することによって独特の魚臭をもつものが存在することがわかってきました。
したがって、イトヨリダイであるとかレンコダイなど南方の魚をかまぼこの原料として使用しているものの中で、ごく稀ではありますが、そうした臭いがするものもあり、その臭いが好みでない消費者の方もおられるようです。
 しかしながら、これはほとんど個人の嗜好の問題でもあり、食して健康には、全く害もなく、製造メーカーとしてこれを100%解決する手だてはないのが現実です。