小売店でバラ売りするときは、POPなどでこうしたエビ、カニのアレルギーを消費者にどう注意喚起すべきですか?

原料すりみの中に含まれるカニ、エビなどの特定原料成分が含まれる可能性のある問題については、今のところ、個々に対応せざるをえません。(2008年8月現在)
難しい問題もあり、データーでは北洋系のスケソウダラのすりみなどからは殆ど検出されないのに、南方系のイトヨリ、グチ、南ダラなどのすりみからはかなり高い頻度でアレルゲン物質が微量に検出されるということですが、メーカーにより、また商品により、配合により微妙にその可能性が変わってきます。
また、「入っているかもしれない」という可能性表示も現在、禁じられておりますので、困ったことになっています。
当組合のように、今でも前浜の魚を使用しているメーカーにとって、日々変わる魚種ひとつひとつに対してアレルゲン物質が入っているかどうかなど調べることは不可能です。
原料に使用している魚はエビ、カニなどを捕食しています。......と断言して表示してしまえば、自社製品はすべて含まれていることになってしまいます。
 
正直、可能性表示を認めてもらわない限り、解決しない問題ではないかと個人的には考えております。 
したがって、POPに注意書きをされるのであれば.........。
「原料に使用している魚種の一部にカニ、エビを捕食しているものが含まれ(る可能性があり)ます。」と書くのが一番確実ではないかと思います。 ()内は禁止表現ですのでご注意ください。
 条件としてその魚種までは特定できないということになりますが.......。
われわれ練製品メーカーの使用しているすりみの製造工程での問題ですが、たとえば、イトヨリにしても捕食してエビの成分が含まれているのは内臓だけであり、すりみ製造の段階では、頭、骨、皮、内臓は除去して筋肉タンパクだけを取り出して加工するわけですから、本来ならば含まれないはずなのですが、製造段階で水溶液中に極微量にその内臓成分が溶け出してコンタミをおこした場合だけ、分析したときアレルゲン物質が微量に検出されるというだけなのです。
アレルギーさえ起こさなければ、当然キャリーオーバーとして認められるべき微量のものなのです。
極微量であっても、アレルギーを引起こすアレルゲンであるからこのような問題になるのですから、本当に困ったものですね。
しかしながら、現在の食品衛生法上は、添加していないものまで原材料表示に書かないといけないという義務もありませんので、流通側で勝手にこうしたPOPを入れる必要もないので、そのあたりは販売する商品の生産者とよく情報のやり取りをした上で実施する必要があるでしょう。