■ 微量な特定原材料を含む場合の表示は、どこまで原材料表示として記載する必要がありますか?
健康危害防止の観点から、食物アレルギーを誘発する量を考える際には、特定原材料等の抗原(特定タンパク)量ではなく、加工食品中の特定原材料等の総タンパク量に重きを置いて考えることとしました。 アレルギー症状を誘発する抗原量に関しては、総タンパク量として一般的にはmg/ml濃度(食物負荷試験における溶液ml中の重量)レベルでは確実に誘発しうるといえますが、数μg/ml濃度レベルでは、アレルギーの誘発に個人差があり、ng/ml含有レベルではほぼ誘発しないであろうと考えられていることで意見の一致が見られました。 このことより、数μg/ml濃度レベルまたは数μg/g含有レベル以上の特定原材料等の総タンパク量を含有する食品については、表示が必要と考えられる一方、食品中にふくまれる特定原材料等の総タンパク質量が数μg/ml濃度レベルまたはμg/ml含有レベルに満たない場合は、表示の必要はないこととしました。 さらに、微量原材料の記載の必要性の判断に関しては、製造段階のある点を基準に判断することは技術的にも難しく、また、ある点を基準にすれば、最終製品中の特定原材料等の残存量にバラつきがでることから、最終製品の中に残存する特定原材料等の量によって判断することが妥当と考えます。 今後、食品中に残存するアレルギー物質に係る検知法の開発では、加工食品中の特定原材料等のタンパク量を数μg/ml濃度レベル以下または数μg/g含有レベル以下まで検出可能となれば、表示の必要性の有無を確認するに十分な検知法となると考えています。 註 mg(ミリグラム)=10-3g μg(マイクログラム)=10-5g ng(ナノグラム)=10-9g |