サルモネラ菌による食中毒について教えてください。

サルモネラ菌は、グラム陰性通性嫌気性竿菌の腸内細菌科の一属に属する細菌であり、主に人や動物の消化管に生息する腸内細菌の一種である。
【食中毒の症状】
サルモネラ食中毒は、本菌が腸管上皮細胞に感染した結果生じる。 典型的な感染型食中毒 症状は嘔吐、水溶性下痢などの消火器症状、発熱(高熱)など、まれに内毒素によるエンドトキシンショックで死亡することがある。 潜伏期間 平均12時間(種類により3〜4日になる場合もある) 一般的なサルモネラ属菌では発症するのに10万個以上の細菌が必要であると言われている。

【菌の汚染の原因】
卵殻のサルモネラ汚染は、かつては鶏の消化管内に寄生したサルモネラが総排泄腔で卵殻の外側を汚染するためと考えられ、鶏卵の洗浄が汚染防止に有効とされていたが、今日では卵殻の外側からの汚染のみでなく鶏の卵巣や卵管に寄生して、卵黄や外側の卵白が保菌することで鶏卵そのものが汚染していることが知られるようになった。また感染しても健康な雛が孵化することが知られ、保菌鶏の再生産がおこなわれる。健康保菌者 サルモネラでは、感染しても発症せずに排菌だけ続く場合がある。発症して症状が治まってから長期にわたり排菌が続く場合がある。これをサルモネラ菌の健康保菌者という。 通常は治療の対象でないが、食品従事者は、食中毒予防の観点から、排菌が止まるまで抗菌剤の服用を指導される。

※食品従事者は、健康保菌者の発見のためにも検便など定期的に受検しておくのが好ましい。