■ あの巨大なエチゼンクラゲの成分はなんなのでしょうか?また、その生態について教えてください。
『鳥取県商工労働部産業技術センター』が発表させたデータは以下のようになっています。 大型クラゲ一般成分(%)
<<エチゼンクラゲの生態>>
エチゼンクラゲは日本近海に分布するクラゲのなかでは最大種で傘の大きさは直径100cmになります。分布の中心は東シナ海、黄海であり、日本海では通常も出現していますが、大量発生したときには津軽海峡を越え太平洋岸にも出現するようになります。10〜12月に東シナ海の沿岸部で発生し、寿命は1年と言われています。水温が15℃以下になると活性が低くなり、通常は水深0〜30mの表層に分布していますが、衰弱または斃死した個体は水深300m付近まで沈降することが確認されています。恐らく底びき網で漁獲されるクラゲは衰弱もしくは斃死したクラゲと考えられます。触手には多数の刺胞があり、毒性は弱いが触れると痛みを伴うことがあります。
過去の大量発生は昭和33年、平成7年、14、15年の4回が確認されています。
<<エチゼンクラゲの来遊経路>>
エチゼンクラゲは、大量発生し津軽暖流が太平洋側に強く張り出す時に太平洋岸に出現すると考えられます。秋に東シナ海で生まれたエチゼンクラゲは、翌年対馬暖流に乗り、8〜9月に日本海沿岸各地に出現し、10月には津軽暖流にのり津軽海峡を越え青森、岩手県の沿岸に出現します。その後、南下し11〜12月には房総沿岸域まで達することが確認されています。
今年は出現時期が半月程度遅く京都府沿岸では9月中旬頃から大量に出現しています。
<<各県の状況>> 新潟県:定置網では多いときは2,000個、底びき網では100個程入網することがあり、網が破網する等の被害がでています。刺網でもクラゲの刺胞によりマダイ等の色が白くなってしまい、価格が下がっています。依然浮遊している個体も多く終息する気配はみられていません。
<<今後の来遊予測>> 現況を整理すると
@日本海への来遊量は昨年に引き続き多い。
A日本海への出現時期は例年より半月〜1ヶ月程度遅れている。
B日本海から太平洋へ流れる津軽暖流の張り出しは平成14年より強い。
C東北各県の被害状況は平成14年より大きい。
D日本海側、太平洋側東北各地では依然としてエチゼンクラゲが減少した情報はない。
E日本海側では例年2月頃になると浮遊個体は姿を消すようになるが、底びき網ではしばらく斃死したクラゲが入網し、3月になると底びき網への入網も無くなる。
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