アニサキスについて簡単に教えてください。

アニサキス(学名:Anisakis simplex,A.physeteris,Pseudoterranova decipiens)の成虫は本来、クジラやイルカなど海棲哺乳類の胃に寄生し、幼虫はサバやイカなどに寄生する。
ヒトがこれら魚介類を生で食べると幼虫が胃壁(胃アニサキス症)や腸壁(腸アニサキス症)に穿入し、激しい腹痛をおこす、わが国でも多くみられる寄生虫症である。

【幼虫形態】
体長は20−35mm、体幅は0.4−0.6mmで頭端に穿孔菌と称する突起がある。

【生活史】
成虫は終宿主であるイルカ、クジラ、オットセイなどの胃壁に頭を突っ込んで寄生し、虫卵は糞便とともに海中へ排出される。海中で孵化した第2期幼虫は中間宿主であるオキアミに摂取され第2期から第3期幼虫となり、待機宿主であるサバ、イカなどの魚介類に第3期幼虫の状態で寄生する。これらが終宿主に食べられると成虫になるが、ヒトに食べられると成虫にはなれず、幼虫が胃壁や腸壁に穿入して激しい腹痛をおこす。