■ 食中毒の症状から、原因菌の推定はできますか?
まず、食べることにより発熱、嘔吐(吐き気)、腹痛、下痢、頭痛などの初期症状をともなうもの、重篤な場合には時として死に至らしめることがあるのが、食中毒です。 発熱が症状として出るもの−−−−−病原性大腸菌群、カンピロバクター食中毒 吐き気をもよおすもの−−−−−−−サルモネラ食中毒、ブドウ球菌食中毒、ボツリヌス菌食中毒 セレウス菌食中毒 吐き気と嘔吐を繰り返すもの−−−−ブドウ球菌食中毒、ボツリヌス菌食中毒、セレウス菌食中毒 腹痛をおこすもの−−−−−−−−−サルモネラ菌食中毒、病原性大腸菌群、エルシニア食中毒 下痢をおこすもの−−−−−−−−−病原性大腸菌群、ウエルシュ菌食中毒、ナグビブリオ食中毒 頭痛をおこすもの−−−−−−−−−カンピロバクター食中毒 それぞれ、症状を併発するために、すぐには特定はしにくいのが現状であり、何よりも食中毒が発生した場合、その原因となった食品を特定することが最も大切なことです。 また、実際に原因食品を摂取してから、上記のような症状が発生するまでの時間の長短によっても分類できます。 喫食してから、比較的早い時間に症状があらわれるのが、ブドウ球菌食中毒、セレウス菌食中毒などです。 カンピロバクターは、症状が比較的遅くあらわれ、一般に2日以上たってから症状がでてくることが多いようです。 その中間の8時間から12時間後に症状があらわれるものとして、サルモネラ菌、ボツリヌス菌などの食中毒があります。 さらに、個々に特有の症状がでることもあります。 ボツリヌス菌食中毒の場合は、吐き気がしますし、同時に初期には便秘症状を起こします。 同じ腹痛でも、サルモネラ菌食中毒はへその周辺の痛みがしますし、エルシニア食中毒では虫垂炎のような痛みがあります。 下痢の場合も、水様炎を起こすものや、胃腸炎をともなうものがあります。 |