アレルゲン物質の分析の簡易法はありますか?

アレルギーとは、体に進入した異物を排除して体を守るための仕組み(免疫)が過剰に働き、逆に体に不具合を生じさせることである。アレルギー反応は肥満細胞に結合している抗体がアレルゲンと結合し、そのアレルゲンと結合した肥満細胞がさまざまな物質を放出する。それによってアレルギーが発生するのである。
日本ハム樺央研究所が開発したELISA法が簡易公定法として有名です。 発売元は和光純薬となっている。 
ELISA法とは Enzyme Linked Immnosorbent Assayの略ですが、抗原抗体反応を利用しタンパク質の濃度を測定する方法である。
測定範囲は0〜100μg/mlとしているが、上限は100μg/mlを超える場合は20ppm以上と表記する。 
生体内では、異物を排除するために、血中のB細胞(白血球の一種)から産生されるタンパク質である抗体が異物を攻撃(結合して、無害化する)する。しかし、そのあとはマクロファージが食べてしまう。 
■キットの構成は以下のようになります。 
@抗体固相化プレート−−−−小麦のタンパク質を結合する抗体を結合させたプレート
A標準溶液−−−−−濃度が測定してある小麦タンパク質の溶液
B希釈緩衝液
Cビオチン結合抗体−−−−小麦タンパク質と結合する抗体にビオチンを結合させたもの。
D酵素−−−−ペルオキシダーゼ−アビジン結合物、酵素とアビジンが結合したものです。アビジンはビオチンと親和性が高く、ビオチンに結合する。
E発色剤−−−−TMBの溶液です。TMBがペルオキシダーゼと反応することにより、青色を呈す。
F反応停止液−−−−TMBとペルオキシターゼの反応を停止する溶液です。1Mの硫酸である。
G濃縮洗浄液−−−−抗原抗体反応、その他結合反応の後、不純物を取り除くための洗浄液である。
■キットでの操作の簡単なながれ
測定溶液の調整(食品サンプルの粉砕・均一化、抽出操作、遠心分離、ろ過)
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試薬類の準備(プレートの準備、標準溶液の希釈等)
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標準溶液および検体の添加
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一時間反応させたあと洗浄
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ビオチン結合抗体の添加
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一時間反応させたあと洗浄
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酵素−アビジン結合物の添加
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30分反応させたあと洗浄
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発色剤の添加
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吸光度測定