最近分類法について、専門家でない私たちにわかるように解説してください。

まず、大きく分けて、混同されている細菌とウイルスの違いを知っておいてください。 大きさは、もちろん、ウイルスが圧倒的に小さくて、細菌類は高倍率の光学顕微鏡でも見えますが、ウイルスはかなり小さいので光学顕微鏡でみることはできません。(電子顕微鏡の世界です) 
そのことよりも、細菌は自分の遺伝情報(DNA)をもとに、体内で自分の体を増殖させてゆくための部品をつくる工場を持っていると考えてください。 それに比して、ウイルスは自前の工場がありませんから他の細胞を借用して、そこで自分の遺伝情報(DNA)をもとに部品を生産するのです。
細菌の大きさは概して数ミクロンから数十ミクロン(1ミクロンは1ミリの1000分の1)くらいです。−−−−−−@大きさの分類
細菌の形は黄色ブドウ球菌のように球形をしたものや、大腸菌、サルモネラ菌のように桿菌とよばれる細長い形をしたものや、カンピロバクターのように螺旋型をしたものなどがあります。−−−−
A形状の分類
グラム染色という方法で分類する方法もあります。これは、細菌の細胞膜の厚みが厚いか薄いかを調べるものです。 概して細胞膜の厚みが薄いものは薬剤の効果が出やすいといわれていますし、細胞膜の厚みが厚いものは薬剤や熱に対する抵抗力が強いと言われています。この染色方法で細胞壁が薄いものは赤く染まり、厚いものは青く染まります。
細胞膜が薄い細菌(赤く染まるもの)としては、大腸菌、サルモネラ菌、腸炎ビブリオなどがありますが、上でも述べたように殺菌が容易です。
逆に細胞壁が厚い(青く染まるもの)ものとしては、黄色ブドウ球菌、セレウス菌、ボツリヌス菌などがあります。−−−−−
B細胞壁の厚さによる分類
糖の分解能力を持っているかいないかで分類する場合もあります。多くの大腸菌では乳糖を分解し、赤い集落(コロニー)を形成しますが、赤痢菌は分解能力がないので、白い集落(コロニー)を形成します。 黄色ブドウ球菌はその名前のとおり、増殖の過程で黄色の色素を産生します。 また、セラチア菌は赤色を産生、クロモバクテリウムは紫色を産生します。
身近な例として、どぶが黒くなるのは、そこで発生しているサルモネラ菌が硫化水素を発生し、鉄と結合して硫化鉄を合成するからであると言われています。−−−−
C分解能による分類
その他にも、たくさんの分類法がありますが、ここでは、食中毒菌の代表例をあげて説明させていただきました。