魚肉ねり製品の微生物成分規格は「大腸菌群 陰性」ですが、その理由について教えてください。(H23.10月)

ご指摘のとおり、魚肉ねり製品の微生物成分規格は、昭和37年(1962年)に「大腸菌群 陰性」と制定されて以来、49年以上が経過しています。
 この間に、製造、生産技術の向上、保存性技術の向上、検査技術の向上等により製品の安全性が向上している中、魚肉ねり製品の微生物成分規格である「大腸菌群」は国内外で衛生指標菌としての指標性が低いことが明白であるにもかかわらず、現状維持のままです。
 食肉製品や、水道法等においては、現状の業界の衛生管理状況や衛生指標菌の持つ信頼性の低さおよび検査方法の向上等により、「大腸菌群」から「大腸菌」に成分規格が改正されています。
 魚肉ねり製品業界においても、安全な製品を消費者に提供するため業界を挙げて品質衛生管理を徹底している結果、食中毒の大量発生等の大きな品質衛生事故は発生していません。しかしながら、行政の収去検査において信頼性の低い「大腸菌群」が検出された場合、成分規格違反として行政処分がおこなわれているのが現状です。
 全国蒲鉾連合会でも、今後、魚肉ねり製品の微生物成分規格について、現状に即したより信頼性の高い衛生指標菌の成分規格に改定するよう再評価・検討を行い、改正案を国の関連官庁に提案する動きも出てきています。