その1灰干しワカメは不思議なぜワカメに灰をかけたのか
生のワカメの色あいと歯触りをそのまま残すことができるというので、今では料亭のごちそうに欠かせない食品になっている。 昔、昆布の行商人(鳴門の前川文二郎)があやまって火を炊いたあとの灰の中にわかめをぶちまけてしまった。 それを持ち帰り、急いできれいに洗って干したところ、他のワカメよりも色が鮮やかなのに気がついた。 灰干しワカメの色あいが美しい原因は、美しい緑を出す葉緑素、すなわちクロロフィルの変化にある。 クロロフィルはMgイオンを介在させ、側鎖にアルコール基がくっついた形をしているが、Mgイオンが抜けるとフェオフィチンという褐色の物質に変化する。 通常のワカメはこれができるために色が悪くなるのである。 ワカメに熱を加えると、側鎖のアルコール基がはずれて、クロロフィルドという物質になる。これは安定なので色を安定に保つことができる。 灰はアルカリ性であり、灰の中にあるカルシウムイオンなどの2価金属イオンがアルギン酸を壊す酵素リアーゼの酵素活性を抑える為にいつまでも美しく青い色をしているのである。