あじさいの花....花も考えて(?)進化してきた

美山町の茅葺きの里近くの道路脇に咲いていたガクアジサイの花......
この紫陽花の中央に見える細かいのが本当の花で、まわりの白い大きな花は、実際は完全な花ではありません。
これはガクが発達したものです。
どうやら、蜜を吸う昆虫たちに花をアピールするために、無理矢理花のマネをしているとでもいうのでしょうか?
昆虫が蜜を吸いに来るのも、視覚的にとらえるのだとすると、これはお花が長い間に考えて進化したということもできます。
もちろん、植物に動物のような考える脳があるとは思えませんが、長い歴史の中で、姿を変えて生き続けてきたのです。
私たちが普通、紫陽花(アジサイ)と呼んでいるのは、このガクアジサイが改良されたものです。
むしろ、アジサイのルーツはガクアジサイの仲間だったんです。我々が普通アジサイと呼んでいるポピュラーなアジサイは外観で見えている花のようなものが、すべて、上で述べたガクの発達したもので、花ではなく、偽装の花であるともいえるでしょう。日本のように酸性土壌では金属イオンが水に溶けだして、これが、土中のクエン酸と結合して、花の色の成分であるアントシアン色素に働いて青くなるのですが、同じ花をアルカリ土壌の海外(ヨーロッパなど)に持っていって、植えると金属イオンが溶け出さないので、花の色は赤くなるのです。
だから、アジサイはそのものがリトマス試験紙みたいなものですよね。
それと、アジサイの葉があまり害虫に食われている例は少ないようです。これは、水を吸い上げた時の微量成分の沈着により、シアン化合物(青酸カリの一種)が葉っぱに蓄積されているので、虫が食べると死にますし、草食動物である山羊などもよく知っていて食べないそうです。これも、アジサイが長年の間に獲得した生き残る為の強さなんです。

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