(2001.7.25)思い知ったメダカの飼育の失敗例と自然を考える。

おおきな稚魚水槽の水が濁ってきたので、先日、稚魚の池の水草を全部引揚げて、それから池の大掃除をして、半分ほど水を入れ替えたたあと、若干、すくい取った稚魚を池に戻して様子を見ていたのであるが、それまでに観察していた稚魚の数が日々減っているように感じた。
おそらく、水草に隠れてしまったのだろうと思っていたが、えさを与えても、以前のように無数の稚魚がうじゃうじゃと泳いでいる姿が見られなくなった。
また、池の中から親メダカを隔離しているため、ボウフラが多数発生していた。(親メダカであればこうしたボウフラは餌になってくれるのであるが、.......)妻からは、ボウフラ(=蚊)を養殖しているのかと皮肉まで言われる始末であった。
そこで、今日は会社から早く帰ってきたので、明るいうちに再度、水草を池からいったん、別の水槽に移し、稚魚がどのくらい生きているか確認することにした。ところが、あれほど沸くように泳いでいた細かい稚魚の姿がほとんど見えない。死んだのだろうか?.....しかし、丹念に見てもメダカの死骸らしきものは見つけることができなかった。数百匹の稚魚が成魚になって、池もメダカで一杯になるだろうと思っていた矢先の出来事であった。呆然として池の中を見ていると、なんと、稚魚の中でも大きくなった(当研究所の池では第一世代と推定できる)稚魚が、うまれたばかりの稚魚を追いまわして食べようとしている姿が何回か観察されたのである。つまり、親メダカを隔離したから、稚魚が食べられる心配はないと思っていたのが、何と第1世代の子供メダカが第3、第4世代の稚魚を食い荒らしてしまったのではないかという結論に達したのである。
つまり、一番先に産まれた長男が大きくなって、3男、4男を食べてしまっているのである。
↓の写真は第2世代と第3世代が一緒に泳いでいる姿である。第1世代はもう、親メダカと大きさこそ違うが、形はいっしょに近いものになっているし、泳ぎも敏捷で早い。
池の水が濁ってきたからといって、水替えをしたのは大失敗であった。それまで、この池では、稚魚の世代間に住み分けができていたのだが、私が水槽の環境に手を加えてしまったことで、この池のなかで守られていた秩序が一瞬にして均衡を破られてしまい、稚魚たちの安全が失われてしまったのである。




稚魚水槽を2つに分けていたのが幸いして、↑の水槽は稚魚がうまく育ってくれている。大きな稚魚池には結局第1世代、第2世代が10匹〜20匹程度生き残っているだけとなってしまった。
この別の稚魚水槽の個体数を加えても、この夏に生き残るメダカの稚魚の数は100匹には達しないだろう。........ここで、一つの自然が形造られていたのを結局、私が壊してしまったのである。
自然を破壊するということは、今回のことを言うのである。
私は、メダカの環境を良くしようと思って、水を替えて、水質をよくしたつもりでも、稚魚たちが平和に暮らしていて、ある意味では完成していた環境を大きく破壊してしまったわけである。
水草のおびただしい水面下の根が稚魚たちを外敵から守っていたのだが、水草をいったん、池から放り出したことにより、世代間の住み分けがなくなってしまい、大きなメダカが小さいメダカを食べるという環境になってしまったのである。
当研究所のブラックバスの飼育中にも同じような経験をしたことがある。水槽の中の環境を替えたとたん(水替えをしたあとで)今まで、食べられいなかった魚が、バスに食べられてしまったのである。
本当に、残念だが、残ったメダカをこれ以上減らさないようにしたいと思ったのである。
 再度、親メダカを池に放ち、残った稚魚を現在の稚魚水槽に移したのである。
見てみると、水草を移動していない水槽(自然に任せて放置してある)では、サイズの大きいものと小さいものが見事に住み分けできている様子が観察された。
↓の水槽で、もう一度、産卵してくれるといいのであるが、メダカは年に何回くらい孵化するのであろうか?さらに観察は続く.........。