魚という字は現在、音読みでは「ぎょ」と読まれ、訓読みでは「うお」と読まれている。
「さかな」とも読まれるが、これはニックネームのようなもので、こうよまれるようになってからの歴史は短い。 このように、読み方が3つある字はそう多くない。食べ物では米なども読み方が多い漢字である。
「さかな」は肴、その語源は「酒の菜」であり、そうした歴史を調べると、米と魚は日本人の命を培ってきたものであるということがいえる。 日本人は世界一の魚食民族であるが、これは魚を食べる技術も含めて世界一であったことがわかる。
昭和35年には総漁獲量が550〜600万トンであったが、そのうちの87%が食用であった。(当時の世界の魚の食用比率は65%程度であった)
しかしながら、昭和61年には総漁獲量が1200万トンに増え、金額にすると3兆円を越えてしまったわけであるが、食用比率は60%になっている。 しかも、外国からこれ以外に1.2兆円分の魚介類を輸入しているわけである。(世界の魚の食用比率は70%に達している)
 このことは、いかに日本人が魚を贅沢に食べているか、また逆の言葉で表現すると、いかに日本人が魚を捨てているかということになる。 日本人が魚の食べ方が下手になったおかげで、捨てる部分が多くなり、環境汚染の問題にまで発展してきているのである。
 当研究所では、魚そのものの生態を観察する「うお」の学習をしているが、食用としての「さかな」についても学習の必要を感じている。 日本の伝統の水産加工技術の中には学術的におもしろくて、内容のあるものが多い。 ここでは元京都大学教授の清水先生にお聞きした話を『日本が産んだ水産加工品の5大傑作』というタイトルで編集してみた。