(2000年5月3日撮影)
昨年の5月といえば、今から丁度一年前である。サルスベリの木に設置した巣箱はあのまま放置してあった。
確かにシジュウカラが営巣していたのだが、卵がかえったような形跡はなく、どこかに行ってしまったのが気になっていた。どうも巣箱の形か巣箱の設置場所か....あるいはなんらかの原因でここに卵を産む前にあきらめて他の場所に移ったのではないかと思っている。
しかしながら、巣の中を覗いてみたい欲求にかられて、とうとう巣箱を木からおろして、中身を見てみることにした。
ペンチで上蓋をこじ開けて、中身をみることにした。万一、卵や雛がミイラになっていたらどうしよう...という不安もあったが、とにかく、好奇心の赴くままに覗いてみることにした。
シジュウカラはすでにたまごを産んでいるのかもしれない....という恐れはあったが、中を見てみると、そのような形跡はなく、ただ、卵をいつ産んでも良い状態の完全なシジュウカラの巣ができていた。
シジュウカラの巣がどのように作られたのかについて、調べることにした。まず、台座の部分は全部、サルスベリの木の下に生えているコケであることがわかった。そういえば、庭に降りては何かをついばんでいるようであったが....コケを大量に敷き詰めていたのだ。
さらにその上に、松の葉っぱ(針のような)がからめてあり、さらにその上は羽毛のような白いワタがちゃわん型に設置されていた。
この羽毛は実はうちの愛犬シロの毛であることがわかった。シロが冬毛を落として夏毛に替わる時に大量に毛が抜けて、それが庭に浮遊しているのをちゃっかり利用していたというわけである。
あんな小さな鳥たちが一生懸命やっていた作業を後から振り返るとほほえましい。
今度は巣箱を作り直して、営巣から産卵、孵化、巣立ちまで観察できるといいのだが.....