春の魚たち(2000.04.08)
毎年、今頃になると舞鶴の河川に遡上してくる「いさざ」(正式名称はシロウオ)を踊り食いするのが地元の風物詩となっている。
しかし、当研究所では、毎年、いさざを水槽で飼育することにしている。写真はトリミングしているが、実際のサイズは4〜5センチ程度である。このサイズで成魚であるから、子供の時はどんなに小さいのか想像がつかない。毎年、産卵の為に海から河川へはい上がってくるのだ。ハゼ科の魚というのも、その姿からはあまり連想できない。
少年時代は河原でよく捕獲して家に持ち帰り、卵とじにして食べたものである。今は漁業権の問題で、一般の人が捕獲することは禁じられているようである。
しかし、川砂利をすくい取れば、今頃は必ず、数匹が砂利の中にまじって獲れるのだ。家で飼育していると骨が硬くなってきて、美味しくなくなるが、1,2ヶ月ほどは毎年飼育している。

左はいさざ漁の様子である。こうして、川のまんなかに金網のようなもので堰をつくり、抜け道にトラップをしかけておくと、翌朝にはたくさんのいさざがかごの中にたまっているという仕掛けである。
しかしながら、昔は天気のよい日曜日には家族みんなで川に入って、金網で川砂ごとすくいあげていさざ取りをしたものだ。
金網の中の石ころを除くと、透明でちいさないさざがピチピチとはねていたものだ。.....子供の遊びとして復活出来ればいいと思うのだが....これも漁業権とやらで、生活がかかってるのかと思うといささか複雑な気持ちになる。
バスもようやく春を迎えて、餌を食べ始めた。なんと、まる3ヶ月何も食べずに生きていたわけなので、すごい生命力である。
残念ながら、ギルは一匹、越冬に失敗して死なせてしまった。
昨日、発見したときには、もう目が白濁していて、体が白くなりかけていたのである。やはり、ギルはある程度餌を食っていないと、生命を維持してゆくことができなかったのであろう。
バスはその点、秋口にしっかり食わせておけば、冬の間なにも食べなくてもいきてゆけるのがわかる。